こんにちは。Oldsumの佐藤です。
今日は3Dプリント技術が、スポーツシューズという量産製品で実用化されるというお話です。
3Dプリントは、これまで以下のような特徴ゆえに、工業化製品の試作(数個~数十個つくって、量産できるかの検証をする行為)に用いられてきたことが一般的でした。いわゆる「1点もの」を作るのが得意な技術です。
- 強味: 金型がいらない。(空洞を内部にもつような)複雑な形状がつくれる。
- 弱み: 1つ作るのに時間がわりとかかる。使える素材が限られる。
記事をご覧いただければ、ニューバランスが作りたかったミッドソールの内部形状はかなり複雑です。このような形状は金型を用いた樹脂成型ではかなり困難であり、実現には3Dプリント技術が必要ということになったのでしょう。しかし量産化にむけては「素材」と「1個当たり製造時間」の課題をクリアする必要があります。
今日、着目したいのは「1個当たり製造時間」への対応。
短時間にたくさんの製品を作ろうと思えば3Dプリンターを大量に購入して同時に稼働させればよいのですが、この投資コストは製品の単価にのしかかってくることになります。ただ、金型で作る場合は一つの形状(部品)に対して、1つの専用金型が基本的に必要になりますが、3Dプリンターは形状毎にプログラムを変えてしまえば異なる形状のものにも対応できます。3Dプリンターも樹種成型などに用いる工作機械に比べればかなり安く買えるようになっていますし、これから多品種にこれを適用させることと考えれば「あり」な選択肢になってきたということでしょう。
同じように、「一点もの」の製造技術が、量産化を前提とするコンシューマー製品の部品に適用されている事例としては、AppleのiPhoneのフレームが有名です。これも金型を使わず工作機械で「一つづつ削り出し」で製作されています。
「一点もの」の製造技術を量産化に適用するのは大きな投資がかかります。仮に技術をマネできても、実現するには資金的な体力が必要となります。このようにグローバル企業はグローバルマーケットと資金力をバックに、製造技術力への投資で、他社を引き離す戦略に出てきているようにも見えます。
品質、コストの改善だけでなく「製品力」として生産技術への投資。今後も引き続き考えていきたいテーマです。
このアミアミ部分に最新の技術が。
ますます利用目的の増える3Dプリントですが、その応用分野が市販のランニングシューズにも広がります。ニューバランスは今月19日、来年2016年に3Dプリントを応用して作成した初のランニングシューズを販売すると発表しました。
3Dプリントが使われているのはミッドソール部分で、3D Systems社のDuraForm Flex TPUを採用。柔軟性かつ強靭なのと同時に、軽量で耐久性の高い高度なバランスを実現しています。
source: ニューバランス via Slash Gear




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